大草直子責任編集ATONのある日常

エディターであり、スタイリストである大草直子さん責任編集の特別連載がスタート。大草さんの頭の中にある、 ATONを選び、ATON をまとう女性像を、撮り下ろしの写真と書き下ろしのエッセイに投影。全3回でお届けします。

vol.1

私とATONと、
年下の友人

Directed byNaoko Okusa

実は、年下の友人が、とても多い。

彼女もその1人で、
色々な意味で「ボーダレス」なところが大好き。
いや、大好きというより、憧れている、
と言ったほうが良いかもしれない。
台湾、日本、たどっていくと
東欧の血が入っているんじゃないかな。
横から見た顔、もちろんそれは左右で違うし、
角度によって、
女性像のプレゼンテーションが全く変わる。
強い、繊細、色っぽい、知的、やんちゃ。
ダブルアイデンティティ特有の表情なのか、
彼女自身のキャラクターによるものか
わからないけれど、私をはじめ、
みんな、目が離せない。
そして、ジェンダーもそう。この世代の教育なのか、
「区別された性」に対する軽やかさったら!
女らしく、男らしく――ということでもなく、
「自分らしく」を優先しているところは、
年齢差20歳の先輩の私も、
真似しようと思っている。

あとは、おしゃれ。
選ぶアイテム、というよりは合わせ方や着方。
さらに言うと、例えば、
ATONのワンピースと彼女の距離感が絶妙で独特。
25年(!)この仕事をしている私も、
新鮮な驚きのあまり二度見してしまうほど。
具体的に話すと、
もちろん素材はカジュアルだけれど、
シルエットはラグジュアリーなワンピースを、
いとも簡単にコンバースで自分に引き寄せる。
服におもねることなく、ことさら怖がることもなく。

という具合に、私は、最近、年下の友人に、
ワクワクしているのだ。

ITEM01

FRESCA KANOKO | 
GATHER DRESS

素材とシルエットで、
華やかで豊かな黒を着る

黒は無口で地味な色ではない。
素材とシルエットで、さまざまな顔をもち、
「色」をもつ。
このドレスに使用しているのは、
インドのスビンコットン。以上。
そう、コットン100%、
しかも少しカジュアルな鹿の子素材で、
クチュールドレスのような「輪郭」を表現。
例えば通常の3倍の生地を存分に使った、
その心地良い重さが、
このラグジュアリーな印象につながる。
ほのかに素肌の存在を伝える
繊細なシアー感を生かすために、
普段裏側に使う縫い代を、あえて表に。
「丁寧な仕事」に誇りをもつと同時に、
着手(きて)のストレスを可能な限り、
マイナスする。
この立体的なシルエットは、
切り替えの位置や方向を考えて考えた結果。

FRESCA KANOKO | GATHER DRESS

COLOR  |  BLACK / BURGUNDY
SIZE  |  01 S / 02 M
PRICE  |  ¥55,000+tax

ITEM02

SUVIN 60/2 | 
CAP SLEEVE T-SHIRT

黒と合わせて「光」に。
身体に沿う、唯一無二の白

ATONがスタートした時、
とにかく力を入れたのがTシャツ。
「Tシャツのブランド」とたとえられることに
喜びを感じている、と
ブランドディレクターも言う。
インドのスビンコットンを、
旧式の紡績方法でオリジナルの糸を作り、
和歌山のニット工場で生産。
すべては、糸に、Tシャツにストレスをかけないため。
ノーストレスで仕上げられたTシャツは、
着る人にもその空気を伝える。
前後に差寸があって、広めの肩幅は、カジュアル、
少しドレスアップ、きちんと。
どんなイメージにも着こなせるから、
着心地だけではなく、スタイリングのストレスも
思いきりリリースできる。
そして、白は、美しい影をより際立たせる光。
洗濯を繰り返しても、
この光度の高さはほぼ失われない。

SUVIN 60/2 | CAP SLEEVE T-SHIRT

COLOR  |  WHITE / BLACK / PINK / NAVY / BURGUNDY
SIZE  |  02 M
PRICE  |  ¥11,000+tax

ITEM03

SUVIN AIR SPINNING |
ROUND HEM TANK TOP

ボーイッシュな色っぽさ。
着て身に着ける

白のTシャツと同じく、
できるだけ糸とTシャツそのものに
ストレスをかけないように、
大切に作られたタンクTシャツ。
肩から二の腕を包み込むような、そのナローなライン。
あえてステッチを外側に見せない仕様。
この細やかさが、凹凸がある女性のボディラインに、
自然と沿いながら、逆の要素、
ボーイッシュでドライな印象を作る。
女性の色気、そして少年のような
清潔感が手に入るTシャツ。
最後にスビンコットンの魅力を。
綿花を手摘みするため、繊維に傷がつかず、
かつ自然の油分が失われないため、
科学薬剤を使わなくとも、自然なテリが出る。
ブランドディレクターは、インドを何度も訪問。
「生地フェチ」ぶりを発揮して、完成した1枚。

SUVIN AIR SPINNING | ROUND HEM 
TANK TOP

COLOR  |  WHITE / BLACK
SIZE  |  02 M
PRICE  |  ¥14,000+tax