Style
1
ブラウスにジレを重ねて
クラシック&モードに
このブラウスは、刺繍の入った大きめの襟が印象的。あえて重ねたツイードジレから襟部分を出してクラシック&モードに。こうしたレイヤードスタイルでは、ピアスからネックレスまでフルスタイリングするのが鉄則。きちんと感が生まれます。
(風間さん)




私ならば、こう着こなしたい!――スタイリストの風間ゆみえさんが、
「自由区」のコレクションから気になるアイテムをピックアップして
コーディネート。トレンドカラーの赤の装いから、女性性が香り立つ
ハンサムなスタイル、冬のパステルトーンの着こなしまで、
風間さん流のスタイルテクニックと合わせてご紹介します。
私ならば、こう着こなしたい!――
スタイリストの風間ゆみえさんが、
「自由区」のコレクションから気になるアイテムを
ピックアップしてコーディネイト。
トレンドカラーの赤の装いから、
女性性が香り立つハンサムなスタイル、
冬のパステルトーンの着こなしまで、
風間さん流のスタイルテクニックと合わせてご紹介します。
Style
1
このブラウスは、刺繍の入った大きめの襟が印象的。あえて重ねたツイードジレから襟部分を出してクラシック&モードに。こうしたレイヤードスタイルでは、ピアスからネックレスまでフルスタイリングするのが鉄則。きちんと感が生まれます。
(風間さん)


Style
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ウィンターパステルのアイテムは、アイボリーのニットなど淡い色と合わせるのが定番ですが、黒などの“締め色”を取り入れるとぐっと知的でモダンな印象になります。
さらにベルトなどにブラウンをプラスすれば、洗練された抜け感が生まれます。
(風間さん)


Style
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ニットのセットアップは高見えし、着こなしの幅も広がるのでおすすめ。単品で着回すならトップスはレザースカートと、スカートはショートブルゾンと合わせても素敵。
特に赤いスカートは主役アイテム。短い丈のアウターで堂々と見せるのがコツ。
(風間さん)


Style
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こげ茶のモヘアカーディガンにグレーのパンツ。パートナーのクローゼットから借りてきたようなスタイルですが、そこにジュエリーをプラスしてあげることで女性らしさがぐっと引き立ちます。実は、私が一番トライしたいコーディネートがこれ!
(風間さん)


Style
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淡いトーンの着こなしですが、ネックウォーマーを加えることで締まった印象に。人の視線が上に行くのでバランスアップにも効果的。実はこれ、背の高い方にも小柄な方にも使えるテクニック。ワイドパンツが苦手な方は、細身のパンツにしても。
(風間さん)


JIYUKU SPECIAL TALK
Clothes that color me today
今日、私を彩る服
対談・風間ゆみえさん × 松田博子さん
今回のファッションストーリーのスタイリングを手がけてくださった風間ゆみえさん。気になったアイテムからスタイリングのポイント、またライフスタイルまで、「自由区」クリエイティブディレクター松田博子さんとのスペシャルトークをお届けします。

風間ゆみえさん
スタイリスト。女性誌や広告などで活躍する一方、AMPP(フィトテラピー医学普及協会)認定メディカルフィトセラピスト、植物療法士などの資格を活かし、ウェルネスコミュニティサロン「ROOMYS」も主宰。著書に『LIKE A PRETTY WOMAN』(スタイライフ)、『Lady in Red』(扶桑社)など。「ROOMYS」の詳細はこちらから。

松田博子さん
「自由区」クリエイティブディレクター。京都芸術短期大学造形芸術学科デザイン専攻を卒業後、アパレル会社を経て、1998年に株式会社オンワード樫山に入社。25年間、同社のデザインに携わる。大切にしている言葉は「Be happy」。「ファションを通じて日々を華やかに彩り、みなさまに笑顔でお過ごしいただけると嬉しいです」
――今季の「自由区」のコレクションはいかがでしたか?
風間さん 目立った流行を前面に出すのではなく、例えばパンツの太さなど、それぞれアイテムのディテールやシルエットに時代の気分が取り入れられていると思いました。リーズナブルでデイリーですが、高見えするアイテムが多いのも印象的でしたね。
松田さん 「自由区」はブランド発足時から“上品”“上質”“日常”をキーワードにしてきましたが、来年25周年を迎えるにあたり、今季はそれらを“デイリーリュクス”という言葉にまとめ、新たに「上質な日常着」を提案しています。“リュクス”と言っても、パーティに出かけるようなスタイルではなく、日々を彩る華やかさや洗練さ、知的でエレガンスのある装い。「自由区」を着ると気分が上がり、お出かけしたくなったり、誰かに会いたくなったりする――そういう日常の中の豊かさを大切にしたいと思っています。
風間さん “誰に会いたくなる”ってとても大切なことですね。メイクや髪型もそうですが、服装はその人の気分を駆り立ててくれる。それが、私たちが毎日服を選ぶ理由だとも思います。“日常着だから何でもいい”という考えは、スタイリストとしては「ダメ!」(笑)。短パンとTシャツばかりだったら“短パンとTシャツの女性”になってしまいますから。反対に、家のなかでも上質なニットを着れば、どこか華やかな自分になれる。毎日のスタイルは自分の中に染み込んでくるもの。上質な服を選ぶということは、毎日を楽しく生きるコツでもあると私は思っています。
松田さん そういう意味では、「自由区」ではベーシックな定番アイテムも。例えば、ベーシックなパンツでも、毎季、デザイナーが素材を、パタンナーがシルエットを研究して、また何度も試着して進化させています。また「自由区」の商品は、コンフォートで、イージーケアであることも大切にしていますが、 それは“着る人の立場”から生まれた発想なんです。単なる日常着ではなく、毎日に寄り添ってくれる日常着であることも大切にしている点です。
――風間さんが欲しいと思ったアイテムはありますか?
風間さん ひとつは、グレーのイージーパンツ。“楽ちん”というより、着心地が良く、お出かけにも使えるアイテムですね。またレザースカートも気になりました。ハードな印象のあるレザーですが、「自由区」のものは上質でタッチも滑らか。今回、富岡佳子さんに着用いただいたコーディネートでは、ウールのコートやエコファーの小物などテクスチャーの違うものを合わせてモノトーンの着こなしを提案していますが、普段のスタイリングにも馴染みやすいと思います。
松田さん 個人的には、風間さんがスタイリングされたブラウンのコーディネートも洗練されていて素敵でしたね。
風間さん ブラウンは、この秋の注目カラーですが、実は着こなしが難しい色。場合によっては、地味に見えてしまうので。だから、少し光沢感のある素材のものを選んでみたり、締まりのある黒の小物などと合わせたり、きちんとカラーコーディネートをすることがポイントです。ブラウンを上品に着こなせると、女性はグッと色っぽくなります。
松田さん 締め色の使い方もマネしたいポイントです。
風間さん カタログではモデルの方が着用していますが、誰が着ても似合うスタイリングは意識しています。例えば、モデルの場合、全身白でコーディネートしても綺麗ですが、そうでない人が同じ着こなしをすると、どうしても“がんばった感”が出てしまうし、ふんわりとしすぎる。黒などを差し色に取り入れると、見た目の印象が引き締まりますし、どこか知的にも見えます。
――松田さんの今季の“推し”のアイテムはありますか?
松田さん ひとつはリバー仕立てのコートですね。世界的なウールの産地、愛知県・尾州の良質な素材を使用しています。リバー仕立ては、2枚の生地を接結し織り込んだ生地を、縁部分を一度剥がし、内側に折り込んで纏る方法です。高度な職人技が必要な仕立てですが、それにより暖かく軽い着心地になります。ニットも、今季は袖にボリュームがあるものや立体的なフォルムのものもご用意しています。こうしたものは、一着そのまま編み上がるホールガーメントでお作りしていて、縫い代がなく本当に着心地が良い。生産の際に無駄な糸が出ないので、サステナブルであるのも特徴です。

“Your clothes can boost
your mood.”
「服装はその人の気分を駆り立ててくれる」
――風間さんには、参考にされるようなファッションアイコンはいますか?
風間さん 例えば、ケイト・ブランシェットやフランソワーズ・サガン、またシャルロット・ランプリングも好きですね。彼女たちのファッションというよりも、その人の持つ女性像――アティチュードのある人、たたずまいの美しい人に惹かれます。知的で芯が強いのだけど、儚さや脆さも秘めているような。ただ、やっぱり可愛い人はみんな好きです(笑)。
松田さん そういった女性像が、今回のスタイリングにも反映されているような気がします。それぞれのスタイルに個性があり、見ていて楽しかったです。華やかさ、知的さ――いろいろなオーラが感じられて。
風間さん 以前、パーソナルショッピングのイベントに参加したとき、お客さまに「華やかなオーラを纏わせてください」とお願いされたことがありました。難しそうと思うかもしれませんが、実は、わかりやすい依頼なんです。というのもオーラは服で作れるもの。先ほど、「服装はその人の気分を駆り立ててくれる」と言いましたが、その人にとって素敵な服を纏えば、自信が持てます。そして、自信が持てれば、目が開いて、背筋も伸びて、その人が輝いて見える。そういう意味では、読者の方ももし素敵だなと思った服があれば、まず着てみるのがいいですね。頭で学ぶよりも、自分で着て、“素敵だな”と感じることが大切。また、私がよく言うのは、「服は頑張ってフルコーディネートで買ったほうがいい」。ひとつアイテムを買うよりも、頑張って何かを節約し、トータルでスタイルを一新すると、フレッシュな自分に出会える。特に「自由区」のお洋服は、着まわしできるアイテムが多いのでおすすめしたいです。
松田さん そういった着まわし力も、ブランドとして心がけていることですね。ところで、今回のカタログには、ウエストマークするスタイリングもありました。ただ、中にはウエストを締めることに抵抗がある人もいると思います。何かアドバイスはありますか?
風間さん ウエストマークは、今年らしさもあり、着こなしにきちんと感が生まれるので是非トライして欲しいスタイリングです。例えばニットの上に太いベルトをマークするのは苦手でも、細いベルトを選べば、そこまで窮屈に見えません。また、コートの上からベルトをマークするのもオススメですし、ベルトの端の部分を垂らしてあげると、優しいニュアンスが生まれて、モードすぎない、自然な印象に仕上がります。もうひとつ、ブラウスをボトムスにインするか、ボトムスから出すか、もよくある“ウエストにまつわるお悩み”だと思います。近年はインするスタイルが主流ですが、どうしても苦手という方は、ブラウスを出して、その代わりにみぞおちくらいまでの長さのボリューム感のあるネックレスを加えると、バランスが上手く取れるので、試していただければ。

“Keeping your mind
and
body healthy is
also important
to
enjoy fashion.”
「自分自身の心や体を健やかに保つことは
ファッションを楽しむためにも大切なこと」
――風間さんは、ファッションだけでなく、植物療法なども学ばれ、陰陽五行からみた食養生やフィトテラピー、漢方学、ヨガなどのレクチャーを受けられるウェルネスサロン「ROOMYS」も主宰されています。なにかきっかけがあったのでしょうか。
風間さん 「ROOMYS」は、コロナ禍にスタートしましたが、以前からその構想は私の中にありました。健康や美容に関する情報はインターネットで無料で得られる時代。ただ、すべての情報がきちんと責任をもって発信されているのか疑問もあり、自分で何か始めたいと思っていたんですね。ウェルネスに関心をもったのは、私自身昔から体が強い方ではなく、仕事が忙しく、身体を壊してしまったこともきっかけでした。私自身、そこでヨガをはじめたり、東洋医学やフィトテラピーなどを学んだりしたわけですが、実践していくうちに、自分の身体のこと、自分にとって良いものがわかってきた。そうするとやはり自分のケアもしやすいんですね。「ROOMYS」は、こうした私自身の経験を踏まえ、元漢方薬剤師やヨガのインストラクターなど、さまざまなプロフェッショナルに協力を得ながら、心地よい毎日を過ごすためのメソッドをお伝えしています。
松田さん ご自身の経験がベースにあったのですね。
風間さん 不安定な世の中で、ストレスも多い時代。今後は会員制サロンに加え、企業にも福利厚生制度などを利用して、セミナーやイベントを開き、働いている女性にも、日々を上手に暮らすコツを広く伝えられればと思っています。もちろん、働く女性に限るわけではありませんが、女性が元気な会社や家庭は素敵だと思うので。また、サロンの受講を終えたメンバーのひとりが、「ROOMYS」の中で「フィトセラピーの保健室」というオンライン講座を始めたんです。そうやって学びの場を共有してきた人が、独立し、新しいことをはじめ、楽しく生活している姿を見るのは嬉しいことです。ただ、改めて思うのは、自分自身の体や心を健やかに保つことは、ファッションを楽しむためにも大切なこと。人が元気で光り輝くためには、健康でないとダメ。肌荒れてファンデーションを厚塗りしてもおしゃれに見えないでしょ? 明るく元気でないとおしゃれは続けていられないものだから。私がやっているスタイリングの仕事も、ウェルネスコミュニティも、みなさんに楽しく幸せになって欲しいという思いが根底にはあります。
――松田さんも、とてもパワフルにお仕事をされています。何が元気の源になっているのでしょうか?
松田さん “好き”を仕事しているというのはあると思います。デザインの仕事を志したのは、小学生の時に、母と宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』を観に行き、華やかな衣装に憧れたこと。何度もその舞台を観に行きました(笑)。だから今の仕事がとても好きなんです。だたキャリアを重ねる中で、風間さんの言う通り、ファッションは、どんなものを選ぶか、どんな時間を過ごすか、どう生きるのかにも繋がっているものだと実感するようになったのも事実ですね。実際に、私自身、好きなもの、心地良いものを選択して、その中に身を置くようにしています。それも元気や幸せの秘訣。そして同様に「自由区」の商品が、みなさんにとっての好きなもの、心地良いもの――毎日のパワーの源になっていただければ嬉しいと思っています。
Photography: Akinori Ito [aosora]
Styling: Yumie Kazama
Hair: Kotaro
Make-up: Masayo Tsuda [mod's hair]
Model: Yuri Takeuchi
Art Direction: Hiroko Tanuma
Design: Tasuku Amada
Text: Masanobu Matsumoto
Edit: Mari Fukuda
Production: Noriko Ebara [BONBON SERVICE]