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Episode 08 ジャンニ・ノターロ(バッグデザイナー)

世界中で愛される洗練と伝統の技。
イタリアのバッグブランド、GIANNI NOTAROの粋

ジャンニ・ノターロ(Gianni Notaro):1962年ナポリ生まれ。1980年にバッグ工房に弟子入りし、1990年DIFUSION ENNEGI SRL 設立、イタリア国内向けプライベートブランドのバッグを企画・生産。
2008年 NONSOLOSTUDIO SRL 設立、 自社ブランド「CAROL J.」を発表、その後2014年にブランド名を「GIANNI NOTARO」に変更。
interview & text: Kana Yamamoto / edit: Yuki Ishida

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「マイスタンダード 25th」。第8回目にお迎えするのは、イタリアの工房から革新と伝統によって生み出されるハイクオリティなバッグブランド「GIANNI NOTARO」の創設者であり、デザイナーのジャンニ・ノターロさん。ナポリからモノづくりの情熱をお贈りします。


 

時代にとらわれないデザインと機能性が都会の女性を魅了する

 

ー 都会の女性をスマートにもフェミニンにも彩ってくれるノターロさんのバッグは、日本でも多くのファンに愛されています。

私たちのバッグは、イタリアのナポリで生み出されています。企画から製造まですべてを手がける、オリジナルなバッグです。私たちがイメージしているのは世界を股にかけるコスモポリタンな女性。時代にとらわれない普遍的なデザインや機能的なフォルム、そんな特徴が「GIANNI NOTARO」のバッグをもコスモポリタンな存在にしていると思います。

 

 

ー 「GIANNI NOTARO」の前身であるブランド「CAROL J.」も有名でしたが、ご自身の名前を冠したブランドを起ち上げたのはどういう想いからなのですか?

「CAROL J.」のデビューは2008年。下積み時代を終え、90年代の初めに独立し、創業した別会社でイタリア国内のマーケットに向けた「CAROL J.」を展開していましたが、世界に向けて自分のバッグコレクションを発信したいという夢を抱いていました。その夢を叶えるべく会社を立ち上げ、社長兼デザイナーとなりました。

「CAROL J.」は、私の初孫の名前が由来なのでとても思い入れがありましたが、よく似た名前のファッションブランドが他にあったので、私自身の名前を冠して「GIANNI NOTARO」としました。起ち上げた時は、お客様は少なかったけれど、希望は無限大でした。ここまでの道のりは平坦ではありませんでしたが、兄弟、娘や娘婿たちを含むスタッフたちとともに情熱を注ぎ、あらゆる努力をしてきました。世界中にお客様を持つことができ、すべてが報われたなという実感があります。

 

23区とのコラボレーションブランド「RAFFINATA」

 

 

ー 23区とのコラボレーションブランド「RAFFINATA」とは、どういう意味ですか?

「RAFFINATA」は、イタリア語で「洗練された」という意味なんです。その名の通り、洗練されていて落ち着きのある23区のスタイルに最も似合う、理想的なバッグを作り出すことを常に目指しています。

23区とは、まだ「CARLO J.」のブランド名だった2013年秋冬コレクションから取り組みがスタートしました。最初は、大小のトートバッグと、ディテールをカスタマイズし、より魅力的なデザインに生まれ変わったボストンバッグの3種類だったのを覚えています。

その結果に手ごたえを感じていただけたのでしょう、翌年の秋冬コレクションから、23区と私のコラボレーションライン「RAFFINATA」が誕生しました。丁度、ブランド名が「CAROL J.」から「GIANNI NOTARO」になったタイミングの年でしたね。そう考えると、2018年春夏コレクションは、記念すべき10シーズン目! 非常に感慨深いものがあります。これからもますます23区との絆を深めながら、23区というブランドにとって「 RAFFINATA」が欠かせない存在となれることを願っています。

 


ー カラフルなレザーがストックされている保管棚。

 

ー 今シーズン、パステルカラーのバッグが登場しますが、パステルカラーをチョイスした理由は?

時代を超越したカラーだからです。BON TON(上流社会)的で、優雅で上品。そしてロマンティックでフェミニンなカラーパレットが、新しい春夏コレクションを最高の形で表現してくれるだろうと思いました。すべては50年代のイタリアンモードからインスピレーションを得ています。あの気品のある、洗練された優美なムードを表現したいと考えました。

ー バッグをつくる上で一番苦労するのはどのようなことですか?

間違いなく、自分の頭に浮かんだイメージを、レザー、カラー、フォルム、サイズなどの組み合わせの正解を探しながら、最終的な製品に落とし込むことです。

 


ー この春の新作は、パステルカラーのRAFFINATA [Saffiano Tote]。

 

ー その答え探しの道程はどのようなものなのでしょうか?

一日中、一心不乱に理想の素材とフォルムを探求し、ひたすらプロトタイプとなる型紙のラインを厚紙の上に引いていく作業です。私の場合は、ひとたび素材とフォルムが見えてくると、簡単なデッサンをするのみで、あとは直接型紙のラインを描き、切り出し、具体的な設計をしながら、デザインを起こしていきます。コンピューターは使いません。

とても若い頃からこの道一筋でやってきた、その進化の結果でしょうか。10代で小さな工房の見習いとしてバッグ職人のキャリアをスタートし、すぐにバッグづくりの面白さ、この世界の魅力に取りつかれてしまいました。はじめは、職人としての技術を身につけ、その後、自分でもデザインを始めてみると、思いがけず業界のエキスパートが評価をしてくれたんです。そのときの喜びがバッグをデザインする情熱になっていきました。

 

日本のとんかつ屋でナポリの民謡を歌う!?

 

 

ー イタリア人のノターロさんから見て、日本の女性のファッションはどのように映りますか?

来日時の印象は、みなさん自分のルックにとても注意を払っていると感じました。それぞれの着こなしをしていて、どの女性もクラス感やエレガンスを損なわずに、個性を放っているのに感心しました。

ー ファッションの他に、日本での思い出があれば教えてください。

何より、日本人の規律正しく、親切で、品格があり、他人を尊重する国民性に感銘を受けました。食文化も興味深く、下町のとんかつ屋さんのカウンターで食べたとんかつは本当に美味しかったなあ! 上機嫌になって、ついついナポリ民謡を歌ってしまいました(笑)。東京という大都会が、あれほどまでに機能的、規則的にオーガナイズされている点も、世界のどの大都市よりも魅力的だと思います。

 


ー ナポリの美しい風景。ナポリ湾とヴェスヴィオ火山。

 

ー デザイナーとして、どのようなところ/ものから刺激を受けていますか?

私はナポリに生まれ、ナポリで育ちました。ナポリは歴史と芸術に富んだ街ですから、どの道にも、どの街角にも、色彩が爆発していて、私を刺激しつづけています。新しいインスピレーションを得るために、ミラノ、ロンドン、パリなどのモード都市に旅することもあります。そんな時は、観光スポットではなく、地下鉄の駅やバールやカフェなどの日常的な場所に行って、人々を注意深く観察します。

ー お気に入りの休日の過ごし方は?

愛する家族と過ごすのが一番です。彼らと一緒に長い散歩をしたり、イタリア各地の歴史的な街や名所を訪れたりすることもよくあります。イタリアですから、夏は3週間のバカンスを死守するのが、社長としての私の務めではありますが(笑)、世界中を周って、違う文化や場所を発見することが楽しみですね。

 


ー 最愛のご家族。2人のお嬢さんはノターロさんの会社で働いているそう。

 

ー 最後に、25周年を迎える23区にメッセージをお願いします!

私の心の、とてもスペシャルな場所を占めている23区に、心よりお祝いを申し上げます。未来にはさらなる栄光が待ち受けているという確信のもとに、この25周年は新たなるゴールへのスタートであると、ナポリよりエールを送りたいと思います。

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