Mystandard

Episode 09 鈴木 亜矢(23区 GINZA店長)

23区の世界観が120%味わえる国内唯一のフラッグシップ店。
体験できるショップ作りとは

鈴木 亜矢(すずき あや):23区 GINZA店長。2000年に入社、伊勢丹新宿店に配属された後、2016年9月より現職。17年間、23区一筋。
photo: Rakutaro / interview & text: Kana Yamamoto / edit: Yuki Ishida

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「マイスタンダード 25th」。第9回目にお迎えするのは、23区のフラッグシップ「23区 GINZA」の鈴木亜矢店長。店舗規模、取扱商品点数ともにナンバーワン! 訪日外国人の顧客も多い23区 GINZAならではのおもてなしの心、そして夢時間をもたらしてくれる優美な店舗作りについてうかがいました。


 

国際色豊かな23区唯一の路面店

 

ー 広くて優美なお店ですね。23区 GINZAはどのような特徴がありますか?

国内唯一の路面店で、23区の世界観を存分に表現できる場所になっています。国際色豊かで、外国人客の8割が中国からのお客様なんですよ。

ー 中国でもブランド認知が広がっているんですね。

アジアの国々にも23区のお店があるので、ご贔屓にしてくださっている方が23区 GINZAにも足を運んでいただいている印象です。日本のほうが取扱い商品も多く、23区に憧れている方も来てくださったり。現在は10名のスタッフのうち半分が中国語が話せるバイリンガルスタイリストで、スムーズに対応できるようにしています。

 

記念撮影も多い23区 GINZAのショーウインドウ

 


ファンタジックなクリスマスディスプレイが非日常感を運んでくれる。パーティシーズンに合わせ、コートとドレスが映えるデザインに。過去のディプレイはこちら

 

ー 銀座でお買い物の途中、ショーウインドウに惹かれていらっしゃる方も多そうですね。素敵なお店作りにこだわりを感じます。

23区にはVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)という、商品をどう魅せるのかをデザインする職種があります。そのチーフディレクターの萩原恵子を筆頭に、各店の店長は、ウインドウディスプレイに始まり、スタイリングや棚の作り込みが1つの重要な仕事になっています。23区 GINZAでは、2週間に1度はレイアウトを変えています。

ー ウインドウディスプレイも、クリスマスシーズンは1年の中でも最も気合いの入る時期だと思いますが?

年末にかけて、ギフト需要に、お出かけ需要も重なるので気を抜けません。実は、夏から照明テストなどの仕込みを始めているんです。

 


紙でできた雪の結晶のカーテンは600枚すべてスタッフによる手作り。夜をかけて吊るしていったそう

 

ー そんな長期にわたって準備されているんですね。2階もあってかなりの広さですが、ディスプレイの変更にはどれくらいの時間を要するのでしょうか?

ウインドウディスプレイを変更する前日までにすべて、店舗のバックヤードにルックスを組んで準備しておきます。萩原からの設計図どおりに、陳列ラックを作り込んで保管しているんです。つまり、裏にもう1つお店ができている状態です。

ー お店がもう1つスタンバイ! 驚きました。

着せ替えだけでも23体もあるので、事前に仕込んでおかないと間に合いません。1日かけて入れ替えていきます。朝、開店前に第一弾のマネキンを入れ替え、営業中に邪魔にならないところを引き続き作業。そして閉店後にウインドウに取りかかります。現状のものをすべて撤去し、施工が入って、みんなで集中して終電までの勝負です(笑)。それでも終わらないこともしばしばです。

 

 

VMDという仕事

 

ー 鈴木さんがVMDに興味を持ちはじめたきっかけは?

振り返ってみると、本当に些細なことでした。12〜13年前に、萩原のレイアウトの手伝いをした時、シンプルなブルーのニットに白いシャツを入れて袖をクルっと巻いたり、襟の立ち方を変えたりしただけで、そのニットが活き活きと新鮮に見えたんですよ。これがVMDの力であり、VMDディレクターの仕事なんだなって。物の見え方がガラッと変わった瞬間でした。

そこから一つひとつの商品をじっくり見るようになりました。売るということは、接客するだけじゃなくて、手にとってもらえるような魅力的な世界観を作ることでもあるんだと気がついたんです。それで、23区のすべての作り込みをやってみたいという気持ちが湧いてきて、23区 GINZAへの異動を希望しました。ここでは、思う存分VMDに取り組めます。

 

 


ディスプレイの小物にも服と同じ生地を巻いて世界を作り上げている。随所にそういった気配りが散りばめられている23区 GINZAにぜひ訪れてみてほしい

 

ー どういう瞬間が一番楽しいですか?

「楽しい」と「大変」が表裏一体ではあるのですが、ウインドウの準備をひたすらしている時ですね(笑)。レイアウト変更の当日だけは、信頼できるスタイリストに接客をまかせたり、それぞれ分担したりしながら、人が変わったように集中して取り組みます。毎回緊張します。萩原から具体的かつ細かく指示が入った図案を元に、店内を仕上げていかなければなりません。組み上がったら毎週ミーティングをし、商品の動きを分析しながらアレンジを加えていきます。

ー ショーウインドウ以外でも23区 GINZAならでは工夫があれば教えてください。

わざわざ銀座まで来ていただいているので、時間を忘れて、ゆっくり見ていただきたいなと考えています。全身のスタイリングを楽しんでいただけるように配慮したり、23区を体験していただく工夫をしたり。23区 GINZA限定になりますが、イベントを定期的に開催しており、先日は腕でザクザクと編める「腕編み」でスヌードを作るワークショップを行いました。寒い日には、店頭でホットドリンクを振る舞ったりすることも。ホッとできる場所を提供できればと思っています。

 


ざっくりした網目と柔らかな雰囲気がピュアに冬を演出。23区 GINZAでは自分でニット小物が編めるキットを12月いっぱいまで販売中

 

自宅には箱一杯のストール

 

ー 23区のアイテムの中で、鈴木さんのお気に入りを教えてください。

白シャツは毎シーズン買っています。特にお気に入りなのは、「カンクリーニ」と「リベコ」。コレクションごとに買っています(笑)。着心地が全然違いますね。それと、ストールが大好きです。ピュアカシミアのチェックのストールは、毎年1枚ずつ買うんですけど…さすがに全部をずっと保管してはおけないのですが、手元に残しているお気に入りだけでも衣装ケース1箱はあります。はじめは店舗で身につけて、気に入ったものはその後プライベートで大切に使っています。

 


様々な取材や撮影も多い23区 GINZA。入念に打ち合わせを行なう

 

ー 鈴木さんにとって23区の魅力とは?

シンプルで上質。ずっと長く着つづけていけるもの。ですが、この25年で明らかに進化している。以前より、今の23区が好きです。チーフデザイナーの麦倉が、23区の目指すところとして「心を豊かに」というフィロソフィーを掲げています。まさにそんな気持ちにさせてくれるんです。私たち23区 GINZAスタッフは、歴史や銀座についての勉強会をしたり、立体的に「心の豊さ」に繋がるよう、日々精進しています。

ー 25周年を迎える23区にメッセージを!

新しい服を買う目的は人それぞれだと思います。仕事をがんばれるとか、旅行が楽しいものになったりとか。そういうお話をお客様からうかがうたびに、23区ってみなさまの人生の大事な1ページ関わっているのだなと実感します。これからもずっとお客様の人生に寄り添っていけるブランドでありたいと思っています。

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