発想力が技術力
和牛の革は、海外の革よりも繊維質が細かく凝縮されていて、丈夫で型崩れしにくいという特徴がある。一方で、その丈夫さゆえに硬く、衣料用のレザーとして仕上げるにはさまざまな工夫や技術が必要となる。しかし、ごとう製革所の社長・後藤富男さんはとくに難しいということもなく、それを簡単にやってのけた。30歳まで植木職人だったという後藤さんは、タンナーに転身してから十数年を経た今も研究開発に余念がない。月に一度は新しいレザーのサンプル作りに取り組み、そのすべてをデータとして残しているという。だからこそ、どんなオーダーに対してもどうすれば応えられるのか瞬時に答えを導き出すことができる。国内有数と言われる技術の高さは、他業種を経験してきた後藤さんだからこその先入観のなさと、日々様々なトライを積み重ねてきたゆえのアイデアの引き出しの多さにあるのだ。