Neutral

目の前に、白いシャツが一枚。
ハリのある直線を描き、端正な顔立ちをしている。
彼は、そのシャツがどこで、
どのように作られたかを調べ出す。
彼女は、そのシャツを着て鏡の前に立つ。
彼が着ればジャストサイズに、
彼女が着ればオーバーサイズに。
追及を重ねたベーシックは、誰が着ても美しい。
彼は、そのシャツの縫製を細部まで確かめて満足し、
彼女は、それを着た自分の姿と
着心地のよさに充足感を覚える。
ふたりに共通するのは、
“意味がある”服を着たいという気持ち。
そこに込められた価値をシェアできる服が、
ふたりを本質へと引き寄せていく。