思わず目を奪われる存在感。
機能美が生きた丁寧なつくりのトートは、職人の手しごとから生まれました。
その美しさは、用に即した美、すなわち「用の美」といえるもの。
革という天然素材を余すことなく使って、日々を重ねるのが楽しくなるような相棒を。そんな想いで仕立てた「サスティナブルトート」のご紹介です。
革のあるがままの姿を受け止めて天然素材を大切に使い切る
名もなき職人が手しごとでつくり、暮らしの中で使われてきた日用品にこそ「用の美」が宿ります。飾って眺めるだけでなく、手の届く暮らしの中にあり、気が付けば日々使っているもの。
「サスティナブルトート」は、そんな日用品にも似た健やかな美をまとっています。帯状の革を編み込んだメッシュバッグのようにも見えますが、小さな長方形のパーツを縫い合わせて仕立てています。
小さなパーツの反復によって生まれる心地よいリズムと軽やかさ。余計な装飾を必要とせず、洗練された引き算で仕立てたバッグです。
「サスティナブル」の名には、使用している素材とつくり方に由来があります。
素材は、豊かなシボが特徴のミネルヴァボックス。gentenでは、ミネルヴァボックスの一枚革を使ったバッグもおつくりしていますが、シミやキズなどを避けて大きなパーツをとるのは簡単なことではありません。
畜産の副産物である革に見られるシミやキズ、虫刺されの跡などは、生きていた証といえるもの。「サスティナブルトート」では、大切な天然素材を余すことなく使い切るため、革のあるがままの姿を受け止め、パーツを小さくして縫い合わせるというつくり方を選びました。表情の異なるパーツの一枚一枚が集合体となって、ほかにはない個性となっています。
職人の手しごとでこつこつと。見えない骨組みが支える自立するバッグ
gentenのバッグづくりは、手仕事の積み重ねです。長く使っていただくために、大切な工程を重ねました。革の断面であるコバは手しごとで滑らかに磨き、縁と並行に“焼きねん”というラインを入れます。パーツ同士を縫い留めるミシンワークも丁寧に。縫いはじめと縫い留めをそれぞれ同じ目を拾い、返し縫いすることで確かな強度が生まれます。どの工程も丹念にこつこつと。バッグづくりにおいて、手がいちばんの道具なのかもしれません。
小さなパーツを使った縫製は、一枚の革で仕立てるよりも、はるかに手間と時間がかかります。でも、優先すべきは効率やスピードではありません。大切なのは、限りある資源を余すことなく、愛着をもって長く使い続けられるものづくりであるとgentenは考えます。