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むやみに欲しがらない=“uncrave”な大人が
「これさえあればいいと思える服」とは?
BAILA世代が憧れる
知的でチャーミングな“素敵先輩”代表、
モデルでコラムニストのクリス-ウェブ佳子さんに、
今の気分にフィットする
一着を選んでいただきました。

/ Yoshiko Kris-Webb

1979年、島根県生まれの大阪育ち。
音楽プロモーター、バイヤー、ファッションPRを経て、雑誌『VERY』のモデルに。
現在はコラムニストや空間プロデューサーなど多岐にわたり活躍。20歳と19歳の姉妹の母。

大人にふさわしいきれいめ感と抜群の着回し力を持つセットアップが好きで、旅行にも必ず持参します。やわらかく肌なじみのいいデニムを使ったこのアイテムを連れて行くなら、8月の南仏やトスカーナ。ジェーン・バーキンのようにこなれた雰囲気で着こなしたいですね。そのままでも、もちろんサマになるし、チューブトップや丸襟のシャツを中に重ねても素敵。どんな風に自分らしくアレンジしよう?と、想像する時間も楽しみたいです。


ファッションが大好きで、いまだに寝る前に「明日はどの服をどんな風に着よう?」と考えるのが楽しみなんです。昔、友人から「歳を取るとおしゃれが楽しくなくなるんじゃなくて、おしゃれをしなくなるから歳を取るんだよ!」と言われたのですが、その通りだなと思って。歳を重ねても、常に“考えるおしゃれ”を楽しもうと思っています。

自分のおしゃれのルーツを辿ると、まずは着道楽だった父と、その父が見立てた服を着て颯爽と通勤していた母の姿が思い浮かびます。母はキャリアウーマンで、パワーショルダーのジャケットに、ハイウエストのテーパードパンツやタイトスカートを合わせ、仕上げにスカーフを巻くスタイルが定番。日々上質なファッションを目の当たりにしていました。今は世代を超えて共有できるボーダレスなアイテムが多いけれど、昔の大人の服って本当に“大人”だったなと感じますね。

実家を飛び出してからは、街ですれ違う人や旅先でそこに暮らす人々の装いがおしゃれのヒントに。その土地土地で得たエッセンスを自由に取り入れ、ときにはコスプレみたいにド派手なファッションにも挑戦(笑)。本当に色んな服を楽しみ尽くしました。年齢を重ねて自分が熟してきた今は、反対にベーシックをシンプルに着こなしたい気分。
ただ、定番こそ時代を反映して少しずつトレンドが変わるので、アップデートが必須と感じます。例えばデニムなら今日はいたようなリラックス感のあるワイドなものに更新して、今のベーシックを堪能したいです。

今、服を買うときに大事にしている基準は、「それを着て出かけたい場所を思い描けるかどうか」と「80歳になっても着たいと思うかどうか」。お気に入りの服を連れて旅に出て、いろんな思い出を作り、いつかその物語とともに娘たちに手渡せたら――そう考えています。

最も私らしくいられるのは、やっぱり「旅」。日常から逃避して、旅先でゆっくり本を読んだり、新しい友人を作ることで、自分が満たされるとともに、視野がぐっと広がるように感じます。このグローブ・トロッターのスーツケースは、細部までカスタマイズしたもので、外側はパープルにイエローのさし色、ライニングはリバティプリント。持つだけで気分を高揚させてくれます。購入したあと、旅をしてコラムを書く仕事が決まり、17カ国を訪問することになった、まさに旅に連れ出してくれたスーツケースなんです。ちなみに、娘たちも小さいころにいろんな国を回ったおかげか、すっかり旅慣れてオーガナイズ上手に。友人たちとタイや台湾などに行っては、楽しい時間を過ごしているようです。

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Model : Yoshiko Kris-Webb

Photo : Katsuya Nagata (aosora)

Hair&make-up:Rika Sagawa

Styling:Shizuka Yamazaki

Interview&text : Mizuho Kurita

Design : Emi Ureshino

Planning : BAILA (Shueisha)