
見た目が美しいだけではない、細部にまでこだわりぬいて作られたものには、誰かに伝えたくなる「STORY」がある。#02では引き続き、ブランドの軸となるベーシックライン“C BASIC”
をクローズアップ。デザイナーの大野智穂さん、パタンナーの岩切智子さん、ヨガ講師の梅澤友里香さんの3名に再び登場いただき、シリーズのバリエーションから、素材の魅力、今後の展望まで語ってもらった。
「お客さまニーズが多様化しているレギンスを起点に、
バリエーション豊かな6つのシリーズをラインナップしました」

LINE UP

C BASICには現在、6つのシリーズがラインナップされていますが、立ち上げの時からすべて展開していたのですか?
大野:最初に発売したのは、「SMOOTH(スムース)」「SKIN(スキン)」「EASY(イージー)」と「FIT PLUS(フィットプラス)」の前身にあたる「FIT(フィット)」の4種類です。開発にあたり、ベーシックラインとして、まずはお客さまのニーズが多様化しているレギンスを起点に、揃えるべきラインナップを考えていきました。強めの着圧でレッグラインを美しく見せる「フィット」に対し、締め付け感がなく素肌感覚ではける「スキン」、ストレッチ性があり、初めてレギンスをはく方でも気持ちよく動ける「スムース」の3種類があれば、多くのニーズにお応えできると思いました。
「イージー」は、どのような位置づけですか?
大野:ボディラインを出したくないけれど、動きやすさは欲しいという方のためのレッスンパンツになります。いわゆるトレーニングパンツとは違い、ストレッチ性のある特殊な糸を使って軽量に仕上げ、シルエットの美しさにもこだわりました。
岩切:女性が気になるお腹周りはギャザーではなく、きれいめなスラックスに取り入れられているタック仕様にしました。ゆとりを持たせながらもすっきり見えて、裾に向かってまっすぐに伸びるラインが脚をきれいに見せてくれます。

写真左から、ヨガ講師の梅澤先生、デザイナーの大野さん、パタンナーの岩切さん。
「フィット」が「フィットプラス」に変わった理由を教えてください。
大野:より快適な着心地を追求していく中で、今の素材との出会いがあったからです。サンプルを作成したところ、より脚にフィットするようになり、黒さにも深みが出て、これはもっとシンプルに洗練させていった方が良いのではないかと考えました。素材が変わったことで、それまで脚を美しく見せるためのサイドの切り替えラインが2本だったのも、1本のみで可能になり、ベーシックラインにふさわしい上質なものが誕生しました。
梅澤:「フィット」はかための生地でフィットする感じだったのに対し、新しい「フィットプラス」はやわらかな生地でフィットする着心地です。着圧感は変わらずにしっかりあって、C BASICの中で一番のお気に入りです。
「AIRY(エアリー)」は、どうして生まれたのですか?
大野:「もっと軽い素材で、動きやすいものを」という想いはずっとありました。ストレッチ性のあるタフタ素材との出会いもあり、空気のように軽く、肌にまとわりつきにくい「エアリー」のパンツが生まれました。
あと「SMOOTH LIGHT(スムースライト)」ですね。「スムース」との違いを教えてください。
大野:「スムース」の素材感がパウダータッチなのに対し、「スムースライト」はしっとりなめらかな手ざわりで、接触冷感性があり、UVカット機能がついています。暑さを感じ始める5月頃から夏にかけて快適に過ごせるよう、薄手に作りました。
「C BASICのウェアは、シンプルさの中にも
どこかしらに必ずエレガントさがある」

スキントップはこの春、ロングキャミソールタイプが登場しましたよね?
大野:
「お腹を隠せる丈のスキントップが欲しい」との声が多く、ようやくお出しすることができました。新作の「スキンロングトップ」は、裾へ向かって少しフレアになったシルエットでさりげなくお腹周りをカバーしつつ、インナーのアンダー部分には肌あたりのやさしいオリジナルのゴムを使用することで、バストをきれいに保ち、動きやすいようにしています。
ほかに、アップデートされたものはありますか?
岩切:
最初はカップ自体がもう少し小さかったのですが、女性のバストをきれいに包み込むために大きくするなど、スキントップは発売してからも改良を重ねています。
大野:
今出ているものはカップを縫い付けているタイプなのですが、縫い付けてあるとカップがずれなくて良い反面、洗濯時の乾きにくさがどうしても気になります。抗菌防臭機能をもたせた生地を使用したオリジナルカップを開発して、その部分を解決しました。
新色についても教えてください。
大野:
グレイッシュローズとアイスグリーン、そしてプラムです。シーズンテーマである「Kew Gardens」からインスパイアされたカラーをC BASICのウェアにも落とし込むことで、シーズンのコレクションとコーディネートできるようにしています。

どれも魅力的ですが、特に人気のあるアイテムを教えてください。
岩切:スムースパンツは年間を通して最も人気の高い商品です。続いてイージーパンツ、スキントップが人気ですね。スムースパンツはシルエットに無駄がなく、すっきりと着こなせるところが人気のポイントです。レッスンの行き帰りに着ている方も多いですね。
梅澤先生はすべてのC BASICのウェアを着用されていますが、最大の魅力は何だと思いますか?
梅澤:C BASICのウェアは、シンプルさの中にもどこかしらに必ずエレガントさがあるところです。今回話を聞いていて、それが素材であり、デザインであり、パターンでもあることを知り、ますます好きになりました。
「この先もずっと常に進化を続けたい」

今後の展望を教えてください。
岩切:ベーシックラインであるC BASICはできあがって終わりではなく、インストラクターの方のご意見やお客さまのご要望、自分たちが実際に着てみた感想など、違和感があったら見直して改良していくもの。この春で4シーズン目になりますが、常に進化を続けたいと思っています。
大野:お客さまが求めているものをキャッチしていくと、バリエーションはもう少し増えていくかもしれません。そしてなによりも、誰が着ても、「やっぱりC BASICだ」というのを確立できれば、それがチャコット・バランスのベーシックになるのだと思います。
Vol.1 C BASICの誕生から女性の身体に寄り添うパターンメイキングの秘密 はこちら