大草直子責任編集ATONのある日常

9月から12月にかけてお届けしてきた、エディターであり、スタイリストである大草直子さん責任編集の特別連載。今回はその「番外編」です。大草さんが、ディレクターの久﨑に聞いてみたかったという、ATONの真髄に、お酒を交えながら、ゆるりと迫ります。

vol.4番外編

酒とクザキとATONと...

Directed byNaoko Okusa

久﨑さんご自身をこう言います。「ファッションデザイナーではなくプロダクトデザイナーだ」と。私なりの解釈を加えさせて頂ければ、その意図は。「流行や時代を作りだすのではなく」、「流行や時代を超えて、着続けられるものを送り出したい」ということなのかな、と。もちろんATONのスカートやシャツ、コート、パンツはまさにその通りで、ブランド名が前に出ることもなければ、昨年のコレクションと様子が違うこともない。本当にひっそりとそして品良く、私たちに、私たちのワードローブに寄り添ってくれるのです。そうそう、この「品」、久﨑さんをディスクライブする時にも、真っ先に出てくる言葉。着手(きて)に対する誠実さ、愛の深さ。作り手に向けた感謝とリスペクト。私たちのような「伝え手」に向けた、真摯で迷いのない言葉。さらに言えば、きれいなお酒の飲み方や、さりげない気遣い、たくさんの図鑑や画集と遊んだ幼少期の記憶も。いつもいつも、その「品の良さ」は私の居住まいを正し、そして「どうしたらこの品を、もっと伝えられるだろう」と編集者魂を燃やしてくれるのです(笑)。

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